マッコリブーム～マッコリの楽しみ方と最近の傾向～

マッコリは一般的に暑い夏場に冷やした状態で飲むのが好まれます。大きな丼のような器によそい、「パガジ」というヒョウタンで作った柄杓で各自の器に取り分けて飲みます。この時、小指でよく混ぜてから大振りの陶器製の椀で豪快に飲むのが通で、伝統的な飲み方とされています。


2004年頃の韓流ブームをきっかけに、日本でマッコリが認識され、少しずつ人気が出始めました。韓国にもこのブームが逆輸入され、マッコリが再認識されるようになりました。政府が固有食文化の見直しを推進したことや、乳酸菌が豊富で健康に良いことなどもクローズアップされ、人気を後押ししました。それまで韓国では、「庶民のお酒」「老人の飲むお酒」というイメージが強かったマッコリですが、そのイメージを変えつつありました。


そして、日本でじわじわときていたマッコリブームを確実なものにしたのは、人気上昇中の韓国人俳優、チャン・グンソクさんが出演するCMでおなじみのマッコリです。今年の3月に飲料大手のサントリーが発売した缶入り微炭酸マッコリ「ソウルマッコリ」です。今年の販売計画を当初の840万本から約3倍の2400万本にするほどの売り上げだそうです。マッコリの認知度は国民的なものになりました。そのブームに乗り韓国企業は、酸味を抑えて日本人の味覚に合わせたペットボトル入りのマッコリなどを、次々と発売しています。スーパーやコンビニで購入できるそうです。国内のマッコリ市場は2008年の約5倍の約7200万本（350ミリリットル缶換算）と急伸しています。


また、日本の少し前からマッコリがブームとなっていた韓国では、おしゃれなフュージョンバーが増えるとともに、マッコリ酒場では、ボコボコに潰した真鍮製のやかんでマッコリを提供したり、ディスプレーに使ってノスタルジックな風情を演出するなど、近年のマッコリの復権とともに様々な広がりを見せています。今や、韓国国内で500以上の業者が生産しており、一般的に販売されているのは、過熱処理され長期間保存が出来るマッコリのほか、梱包後も発酵を続ける「生(セン)マッコリ」や果実入りのものなど、種類もとても豊富です。


日本でも様々な種類のマッコリが買えるようになってきたので、飲み比べをして自分の好きなマッコリを見つけることが定番になりつつあります。最近の流行りは、濃縮還元ジュースや生フルーツを搾った果汁を加えて、マッコリをカクテルにしてバーなどで飲むことです。新大久保にも、マッコリバーが新しく出来ました。マッコリのイメージは、若者がデートで楽しむおしゃれなお酒へと変わりつつあります。

2012/04/11 16:59 入力