「マッコリ」について連載開始!「マッコリ通信」vol.1
マッコリ協会と、マッコリ広報大使等マッコリに様々な形で関わる方々の協力のもと、マッコリについてもっともっとみなさんに知ってもらおうと、連載を開始します。連載のトップバッターはマッコリ協会キム・ジェホ会長です!キム会長はマッコリについての知識が豊富で、マッコリに対する情熱がとても熱く、今以上にマッコリを世に広めるために日々奮闘されています。それでは「マッコリ通信」ぜひお読みください!
(写真①:2012年11月17日に開催されたマッコリフォーラム
副題の通り、歴史上最もマッコリについて熱く語られ、歴史上最もまだ見ぬマッコリが並んだ)
~「マッコリ通信」vol.1~
マッコリをあらゆる角度から捉え、マッコリの魅力を余すところなくお伝えするため、『マッコリ通信』を連載しようと言う話が浮上した。
本稿が第一回目の記事となるが、私だけではなく、あらゆる立場、環境に身を置く者が、各々の視点でマッコリについて、自由に語っていこうと言う企画である。
専門性を帯びた掘り下げたものから、生活に根差した視点、書き手によって切り口は様々であろう。
単純に男女、年齢別で、同じ事柄を真逆に解釈するかも知れない。
この連載から、どのような新機軸、新発見が表出されるか、楽しみでならない。
古代から人は、酒と共にあった。
その国の伝統酒は、その国の文化、歴史に他ならない。
マッコリを通じ、朝鮮半島の文化が日本により深く、広く浸透し、日韓の融合が為されれば、これほど嬉しい事はない。
その前提として、マッコリそのものがより愛される酒となる必要がある。
まず御託抜きに、マッコリがあらゆる場面で美味しく飲まれない事には、文化の普及も何もない。
日本でのマッコリ消費量が伸びるに連れ、数年前から「マッコリブーム到来」の声が聞こえてきた。
韓国では「マッコリ熱風」、日本の酒類市場をマッコリが席巻していると。
そして去年、日本でのマッコリ消費量が下降線を辿ると、マッコリブームは終わったと、ブームを叫んだ者ほどそれを吹聴した。
何と短絡的な論調か。
法律上、日本での酒類の分類に「マッコリ」はないため、正確には把握出来ないが、日本で最もマッコリが飲まれた年も、マッコリの消費量は全酒類消費量中、5%以下か、3%にも満たないと推計される。
消費量の点から見ると、そもそも最初からブームなど起こっていない。
全国的に見ても大都市を含め、東京以外、マッコリ市場は手付かずである。
もう一つ重要な事象は、2011年をピークにマッコリの消費量は落ちたが、「マッコリ愛好家」は2012年、そして今年と着実に増え続けている。
更にマッコリの消費拡大、認知度向上に便乗し、どぶろくの消費が伸びた側面もある。
過大評価も過小評価も必要なく、プラスの側面、マイナスの側面を厳然たる事実のまま捉えたい。
そこでマッコリの現状をありのまま捉えると、市場でのマッコリ消費意欲、優先順位は、他の代表的な酒類に比べ高くはない。
マッコリがより愛される酒となるためには、何よりもその多様性の認識が不可欠だ。
そう、『多様性』こそが、何よりも重要である。
日本で流通するマッコリだけでも、優に300種類を超える。
その中には玉石混交、似たり寄ったりのものも多々あるが、一言でマッコリと言っても千差万別、全く違う味わい、喉越し、風味を、存分に堪能できる。
ビール、焼酎、ワイン、日本酒、ウイスキー・・・どのお酒と比べても全く遜色ない、あらゆる味わいを楽しめるのが、マッコリである。
マッコリの多様性が認識されない理由は至って単純、「マッコリ大手企業」のマッコリが、市場のほとんどを占有しているためだ。
一時広がったマッコリ陳列コーナーも今や大幅に縮小され、コンビニ、量販店等で置かれているマッコリは極端に少なく、有名銘柄以外はあまり並んでいない。
大手企業のマッコリの品質を云々しているのではなく、人の舌、好みこそ多種多様、千差万別であるため、特定のマッコリばかり並んでいる現状は好ましいとは言えない。
特定のマッコリがマッコリの全てだと認識してしまうため、それが口に合わなければ、「そのマッコリ」が口に合わないはずなのに、「マッコリそのもの」が口に合わないに変換されてしまう。
消費者に何の責任もないのは当然で、多様なマッコリに接する機会が日常にないので、マッコリの多様性に思いを至らす事もない。
多様なマッコリを、韓国料理店だけではないあらゆる業態の飲食店で飲め、コンビニ、スーパー、酒屋さんで手に取る事の出来る、そのような状況を創り出すために、マッコリ協会は存在する。
第一にマッコリの店舗への導入が不可欠であり、また、イベントも継続し、活性化させていきたい。
実際に、私共が実施するマッコリイベントでは毎回、それこそありとあらゆるマッコリに接する事が出来るが、「マッコリを好んで飲む事はなかったが、これならすごく美味しく飲める」と言うようなお声を、参加者様から何度も頂いた。
ごくごく小さな積み重ねが、やがて日常と化せばと、切に思う。
日本の「マッコリバー」は韓国のそれと比べ、総じてあまりにもお粗末な点が多い。
もちろん日本にも素晴らしいマッコリバーは存在するが、スーパーに並ぶマッコリで事を済ませたり、マッコリの多様性、稀少性以前に、そもそもごく少数の銘柄しか扱っていない「マッコリ専門店」が多く見受けられる。
何故わざわざ「マッコリバー」、「マッコリ専門店」を謳うのか理解に苦しむが、世のビール専門店、日本酒専門店、焼酎バー、ワインバー、梅酒バーでは、このような現象はまかり通らないだろう。
この杜撰さが全く問題視されず、誰の歯牙にも掛からない事自体が、マッコリの現状をよく物語っていると言えよう。
とは言え韓国では見られない、日本ならではの特殊で独創的なマッコリの在り方も、見て取れる。
国が違えば、物の考え方、観点も違うので、マッコリそのものも当然違ってくる。
日本の酒蔵が造るマッコリがその最たる例だが、味の好みはさておき、それによりマッコリの多様性は、韓国よりも日本が一歩先んじている側面もある。
序論中の序論のまま締めとするが、次回は実際に、マッコリがどれほど多様性を内包する酒かを、具体的に紹介する。
この『多様性』を以てマッコリと接すれば、通り一遍の「マッコリが好き」ないし「マッコリが嫌い」から、「○○マッコリが好き」「○○マッコリより○○マッコリがいい」「○○マッコリは口に合うけど○○マッコリは苦手」等、マッコリはその銘柄毎に語られるようなるだろう。
マッコリも他に劣らず、魅力的な酒と言える。
※なお、本稿に関するご意見やお問い合わせ等は下記までご連絡ください。
「マッコリ協会事務局」:makkorikyoukai@yahoo.co.jp
(写真②:ソウルで行われたマッコリ大祝祭にて大賞に選ばれたマッコリ、
日本全土で造られる、その酒蔵ならではのマッコリ・・・厳選された40銘柄の大半が誰も飲んだ事のない、まさにマッコリの『多様性』を極めたフォーラムであった)
(写真③:一番左側がマッコリ協会キム・ジェホ会長、右側のパネリスト3名は、いずれもマッコリに精通する専門家達)
2013/08/22 14:16 入力