~変わりゆく新大久保の町~
新大久保は山手線の駅の一つであります。昔から東京に住んでいる人は、ご存知かもしれませんが、歌舞伎町からも歩いていくことができ、ある意味歓楽街の裏通り的な存在で、以前はあまり治安の良い町ではありませんでした。そのため、表通りのハングルが目立つ焼肉店以外はあまり人が近づかず、特に夜は女性のひとり歩きは「危険だ」と言われ、敬遠されがちでした。
↑<2011年12月の夜の新大久保の様子>
ところが10年程前に突如とはじまった「韓流ブーム」により、新大久保は「韓流の聖地」として生まれ変わりました。平日、週末を問わず、韓国ドラマ、タレント大好きの中高年の女性が好きな俳優のグッズなどを求めて町にやってくるようになったのです。
町の様子も少しずつ変わりました。以前はパチンコ店と焼肉屋、そして韓国の食材を扱うお店が目立っていたのに対し、タレントグッズや韓流スターが出演しているドラマのDVDやCDを販売するお店、またタレントの卵がショーを行うお店などが出現し、さながら街全体がテーマパークのようになりました。
↑<2013年3月の新大久保の様子>
最初は中高年の女性がひしめき合っていた新大久保ですが、韓国の若手歌手が日本でも活躍するようになると、10代や20代といった若年層も町に訪れ始め、週末は電車を降りると駅にまで人があふれる程になったのです。町中、どこに行っても韓国の歌が鳴り響き、日本であることを忘れてしまうような状態となりました。また、これまで見られなかったカフェなども出店されるようになりました。このカフェは、韓国のイケメン男性がウエイターとして働いていることもあり、固定客がつき、女性に大人気となったのです。
さて、新大久保へのアクセスですが、通常は山手線の新大久保駅で下車します。しかし、新宿から総武線に乗り換えて大久保で降りて、少しディープな町を歩き目抜き通りまで目指すのも、またひと味違った楽しみ方ができます。この界隈の不動産は表記がハングルでしてあるのも新大久保ならではです。
さらに散策を楽しみたいのなら、新宿駅の東口で降り、職安通りを抜けて新大久保を目指すのも面白いです。少しずつハングルの看板が出没し、町並みが日本から韓国へ変わっていく変化を見ることができます。空前の韓流ブームの時は、新宿や渋谷と見まごうような人手だったのですが、様々な出来事があり、韓流ブームが一段落し、町は少しずつ落ち着きを取り戻しています。かつて、タレントショップばかりが目立っていた町も、焼肉店などの飲食店に変わったり、韓国食品を扱うお店に戻ったりしています。しかし、相変わらず「韓流ブームの聖地」ということには変わりなく、韓国の最新タレントグッズを求めて新大久保を訪れる人が今日でも大勢存在します。
↑<2013年3月の新大久保の様子>
2014/03/03 15:40 入力