移りゆく新大久保の街

東中野で生まれ育って私にとって、新大久保は非常に身近な存在でよく行く場所でもあります。子供の頃から、週末はよく焼肉店に遊びに行き、新大久保を利用してきました。しかし、韓流ブームが巻き起こり街が変わってから家族で遊びに行くことが減ったような気がします。またブームの時は、世の中のおばさま達と同じように、母が韓流ドラマにハマってしまい、お気に入りの韓国俳優が出ている最新ドラマを入手するため、毎週通い詰めました。以前の新大久保は、目抜き通りに焼肉店や韓国の食材を売るショップが立ち並んでいましたが、一歩裏通りに入るとホテル街があったりと、うらぶれた所も数多くあり、裏と表で全く違う顔を見せ不思議な雰囲気を漂わせていました。しかし、ブームが始まると街は一変しました。昔から営業していた焼肉店の幾つかが韓国俳優や韓国のアイドルのグッズ等を扱うショップに変わり、裏通りには女性の入りやすいカフェ等が増え街中がテーマパーク化しました。



この頃は、とにかく週末となると人通りが多く、気軽に焼き肉を食べに行ったり、韓国の食材を買いに行くことが難しくなりました。また途中からは、韓国のアイドルブームも巻き起こったため、おばさま達に加えて若い人も訪れるようになり、ますます人で溢れかえりました。カフェも、メイドカフェならぬ韓国俳優の卵達が接客するお店が出現し、連日おばさま、若い人でウェイティングが発生する程、人気となったようで、恥ずかしながら母もこういったカフェの常連になりました。常連になると韓国俳優の卵達が出演するシークレットライブに招待されるようで、それ目当てに通うお客さんが多く、熱心な人になると毎日通うと言う話を聞きました。

しかし、ここ1、2年で韓流ブームが随分落ち着いてきました。韓国俳優やアイドルのグッズを扱うショップに鞍替えした飲食店や、移転した焼肉店が再び新大久保に戻ってきました。ただ、悲しいのは空き店舗が増えてしまい、以前のようなアジアの街独特なエネルギッシュな雰囲気が損なわれてしまった感じがあります。ただ、ブームのまっただ中は買い物やご飯を食べに行くのは控えていましたが、今は再びゆっくりご飯を食べたり、買い物に行くことができるようになりました。韓国グルメは奥深く、美味しいのは焼肉だけではありません。トッポギやチヂミ、ナムル等それぞれ新大久保では有名店が存在します。ブームの時は、いくつかお店が移転してしまったのですが、今は少しずつ店舗が戻りつつあり、こう言ったお店を巡るだけでも十分新大久保を堪能できます。今後、新大久保がどう変わっていくのか、近くに住む住民として非常に楽しみにしています。

2014/04/21 15:42 入力