2003年「冬ソナ」で盛り上がった大久保通り
2003年「冬のソナタ」2004年「チャングムの誓い」という2本のテレビドラマにより、日本では第一次「韓流ブーム」が起こります。これらが2002年の日韓ワールドカップに追い風となり、新大久保ではコリアンタウン化現象が、職安通りから大久保通りへ、そしてそれらをつなぐ細い路地へ、と広がっていきました。
この細い路地一帯は、木造アパートや小住宅地の間にラブホテルが混在した未整備地域で、既に1980年代から表通りを目指すニューカマー達のとりあえずの生活の場でもあり、韓国人用宿泊施設もいくつかありました。韓流の勢いが韓国人に東京でのビジネスチャンスを囁き、さらに多くの韓国人をこの街に集めました。そして2005年頃には、職安通りと大久保通りのコリアンタウン化はほぼ完成し、次に路地エリアへの侵入が始まりました。
日本で「冬のソナタ」がヒットした要因として、近来の日本ドラマのようにカット割りが多くなく、話数が多くストーリー展開が遅めであることが挙げられます。その結果、主として懐かしさを覚えた中高年の女性を中心にしたヒット作となりました。この点において、アジア各国における韓流と日本での展開の異なりが見られます。この時メディアで頻繁に使われた言葉が「韓流四天王」です。四天王とは、韓国人俳優であるペ・ヨンジュン、チャン・ドンゴン、イ・ビョンホン、ウォンビンの4人をまとめて称した呼び名です。次に、クォン・サンウ、ソン・スンホンなどが「新四天王」と呼ばれていました。翌年に放送された時代劇「チャングムの誓い」により、それまで女性メインだった視聴層が男性も増え、男性も韓国ドラマに馴染みが出てきました。
これらの韓流ブームにより、新大久保の雰囲気がそれまでと一変しました。ブームの高まるにつれ、日本の韓流ファンをターゲットにしたお店が次々とオープンし、韓国人スターのグッズをはじめ、映画やドラマのDVD、韓国の雑誌や写真集、CDなどが数多く売られるようになりました。レアな韓流グッズを求めて、中年女性を中心とするファンが全国からどっと押し寄せ、職安通り沿いを始め大久保通りは一躍、新名所になりました。
2011/08/18 16:48 入力